ピックルボール教室の考察

ピックルボール活動に関する児童アンケート結果のご報告

(令和7年度)

実施概要

1. 放課後等デイサービスにおけるピックルボール実践の教育的意義

近年、放課後等デイサービスにおいては、発達支援と並行して、身体活動を通じた社会性および自律性の育成が重視されている。特に、集団活動における協調性や達成感の獲得は、児童の自己肯定感や意欲形成に寄与する重要な要素とされる。
本研究では、近年日本国内でも競技人口が急増しているピックルボールに着目した。
ピックルボールは、パドルと呼ばれる木製のラケットとプラスチック製のボールを用いた球技であり、初回参加時でも15分程度の練習で試合形式のプレイが可能とされる。これにより、児童が短時間で達成感を得やすく、活動への積極的な参加を促す教材として有効であると考えられる。

本取り組みでは、糸島市内の放課後等デイサービスに通所する児童を対象に、令和7年4月・6月・8月に実施されたピックルボール教室の実践を通じて、児童の運動意欲および活動満足度の変化をアンケート結果から分析した。特に、活動初期段階における「すぐにプレイできる」「協力して楽しめる」といった特性が、児童の心理的充足感に与える影響について教育的意義を考察する。
なお、ピックルボールの日本国内における競技人口は、2024年3月時点で推定約4.5万人とされており、前年から約5倍の増加を示している。この急速な普及は、競技の手軽さと達成感の即時性が広く支持されていることの証左である。

参考情報:・ピックルボール競技人口推計(2024年3月時点)
株式会社ピックルボールワンによる独自調査に基づく推定値。
詳細は Pickleball One公式コラム を参照。
プレイまでに要する時間や達成感の即時性に関する記述は、同調査および体験者の報告に基づく。

2. 実施概要

  • 対象:糸島市内放課後等デイサービス通所児童(各回25~30名)
  • 実施時期:令和7年4月・6月・8月(各月1回)
  • 時間:13時30分~15時00分
  • 内容:ピックルボールの基本練習およびレクリエーションのみ(試合形式は未実施)
  • 片付け:児童が自主的に実施
  • アンケート:各回終了後に同一内容の5問を選択式で実施

3. アンケート項目

  1. 今日の教室で頑張ったか
  2. 体を動かすことが好きかどうか
  3. またこの運動教室で運動したいか
  4. 今日の運動は楽しかったか
  5. 運動教室で何が一番楽しかったか(選択肢:ピックルボール/レクリエーション/ 特にない)

4. 統計結果(3回分の比較)

「運動教室で最も楽しかった活動は何ですか?」という設問に対し、

84.4%のお子さまが『ピックルボール』と回答しました。

5. 考察

アンケート結果から、ピックルボールの基本練習とレクリエーションのみの構成であっても、児童の運動意欲や満足度は高く維持されていることが確認された。特に「楽しかった」「また参加したい」といった設問において高い肯定率が得られ、活動の継続による習慣化と自己肯定感の向上が期待される。
「ピックルボールが一番楽しかった」と回答した児童は平均84.4%に達し、基本練習のみでも十分な達成感や楽しさが提供できていることが示唆される。
一方で、レクリエーションの満足度は回を追うごとに減少傾向にあり、内容の工夫や児童の興味に応じた調整が必要と考えられる。
また、児童が自主的に片付けを行う姿勢は、活動を通じた責任感や自律性の育成を示しており、単なる運動教室にとどまらない教育的価値がある。

6. 今後の展望

本教室の実践は、放課後等デイサービスにおける運動支援の一つのモデルとして有効であり、今後は年間を通じた継続的な実施や、個別支援計画との連携を図ることで、より効果的な支援が可能となる。活動内容の柔軟な設計や、児童の声を反映したプログラム改善も含め、地域資源との連携や保護者との協働による包括的な支援体制の構築が求められる。

 

著作権および転載禁止について

本ページに掲載されている文章・統計・構成内容は、糸島市内放課後等デイサービスにおける実践に基づき、独自に作成されたものです。
著作権は作成者に帰属しており、無断での転載・引用・複製・二次利用は固くお断りいたします。
教育・福祉関係者による活用をご希望の際は、下記連絡先まで事前にご相談ください。

Copyright and Reuse Notice

The text, statistical data, and structural content presented on this page have been independently produced based on practical activities carried out at a local after-school day service in Itoshima City.
All content is the intellectual property of the author and is strictly protected under copyright law.
Unauthorised reproduction, quotation, duplication, or secondary use is expressly prohibited.
If you are an educational or welfare professional and wish to make use of this material, please contact us in advance using the details provided below.


著作権表示
© 2025 Satomi Honda(本田里未)
すべての権利を保有します。

お問い合わせ先
本田里未(糸島市在住)
メール:[email protected]